ことばが身体を縛りも、解き放ちもする。
こんにちは、
埼玉県草加市稲荷の和久屋おひさま整体院です。
関東地方は、夏の太陽の日差しの強さを感じる午前中です。
梅雨は、どこかへ行ってしまったのやら
ちょっと身体がついていかない人も多いようです。
マスクをしてお出かけの人も多いですから
知らず知らずのうちに水分不足になっていたりもします。
こまめにマスクも外して水分補給して、
熱中症にはご注意ください。
前もお話したかもしれませんが、
僕の療術では、ほとんどベッドに座っていただくところから
始まります。
もちろん座るのが辛い方は立ったり寝たりして始める場合もある
のですが、
寝た状態だとそのまま寝てしまう方もいらっしゃるので
まあ、整体ってほかのところがそうなのかもしれないですね。
「受け身でやってもらう」
そんな意識をまず外すことも大切なので、
座った状態から始まる方が90パーセントくらいですかね。
「じゃあ○○さん、そのベッドに腰掛けてくださいね。」という
コトバがけから僕の療術はスタートするのです。
この時のコトバですが、
先ほど説明した表現と実際のコトバ掛けで
コトバが違うことに気がつかれましたか?
そうです。
お客様には
「(ベッドに)座ってください」
とは言わず
「(ベッドに)腰掛けてください」
と伝えているんですね。
たまーに小さい子や若い方で
「腰掛けてください」とお伝えすると
「???」な方もいらっしゃるので
ジェネレーションギャップを感じちゃう時もありますが、
まあこれも90%くらいの方がわかってくれますね。
「腰掛けてください」と言っても
ちゃんとベッドに座ってくださいます。
では、
僕がなんで
「座ってください」とは言わず
「腰掛けてください」と言うのかですが、
意味の違いが正しいかどうか、
お客様がくみ取ってくださっているかは別にして
これちゃんと意図があってコトバを使い分けてるんですね。
操体法は、
「自分の身体の動きの中で身体の痛みや
動きづらさに変化を出していく」ので
ベッドにちゃんと座ってしまわれると
次の動作へ動き始めづらくなってしまうんですね。
だから「腰を落ち着かせて座ってしまわれる」というより
すぐに次の動作に移れるように
「腰掛けてください」とお伝えするんですね。
ほとんどの方が足が床につかない高さにベッドを調整してある
のですが、
実際、脚の長い男性で足が床に着いてしまう場合では
ちゃんと座るのではなく、
ベッドの端部にお尻をつけるように
「腰掛けてくださる」方もいらっしゃいます。
この「座る」と「腰掛ける」の意味をお客さまが感じとって、
ちゃんと身体の状態を変化させてくださっているのかどうか
確信はないのですが、
もう少しわかりやすい例でいうと
今度はベッドに寝た状態になった時です。
みなさんもベッドに寝てみて試してみてくださいね。
「脚伸ばしましたね。○○さんそれじゃあ、
今度は『膝を立てて』みてください。」
これもほぼ100%の方が、
両足をお尻の方にずりずりとずらして
膝を曲げて(屈曲して)折れた状態にしてくれます。
自分が僕の立場になったとしてみて声掛けをするとして
試しにこの時に「膝曲げてくださいね」と言ってみてください。
どうでしょう?
やりにくくないですか?
そのまま膝を立てて仰向けに寝た状態で
もう一つわかりやすい例です。
じゃあいきますよ。
「○○さん。じゃあ今度は
腰を浮かせてみてもらえますか?」
みなさんどうですか?
スムーズに動けましたか?
ちょっと一瞬戸惑ったり、動けなかったんじゃないですか?
実際にやってみると60%くらいの方が少し考える間が
あったりします。
それじゃあ。この言葉がけと比較してみてくださいね。
「○○さん。お尻を浮かせてもらえますか?」
今度はどうでしょう?
前のコトバより、みなさんうまく動けたのではないでしょうか?
結果はそれぞれ、
僕がやりにくいという言葉がけでも
ちゃんと動ける方もいらっしゃるでしょうし、
動きやすいと言われる言葉がけでも
動きにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ことば一つで身体の動きに変化があるということを
実感できたのではないでしょうか?
言葉がけの工夫もまだまだたくさんあるのですが、
また機会があったら紹介させていただきます。
こうして僕は、日々、言葉がけも気にかけながら
自分の身体とお客様の身体と向き合っています。