• 記事検索

  • 更新メール通知
  • このブログの更新通知をメールで受け取ることができます。
  • New Photo
  • 220822_sunflowersakura petal
RSS

ことばが身体を縛りも、解き放ちもする。(その2)

ことばが身体を縛りも、解き放ちもする。(その2)


猫腰痛


こんばんは



埼玉県草加市稲荷の和久屋おひさま整体院です。



知らないうちに関東地方も梅雨に入ったようですね。



でも昨日は午前中通り雨の後は晴天で、今日もいい天気です。



できるならジメジメは少ない方がいいですが、



仕事的にはジメジメした方が身体に不調が出る方が多いので



悩ましいところです。




さて前回、ことばがけで身体の動きが変わるということを



お伝えしました。



今日もその続きを書いてみようと思います。



僕の療術は、座って動きをつけていくことが多いです。



座った状態では、身体を左右にねじる動きをつけてもらうのに



僕はお客様の後ろに立っていて、こうお伝えします。



「○○さん、右に 振り向いて ください。」



この声掛けに対して、



お客様のお身体がどう動くかもチェックしてるのですが、



このお声掛けだけだと、



首だけ僕の身体の方に向けてしまう方が半分くらいでしょうか。



こういう方は、腰や身体の痛みを避けるために



首だけで動く癖がついてしまったり、



また逆に、職業などの影響で



首だけで振り返る身体の癖がついている方だったりします。




そしたら、もう一度こう声掛けします。



「○○さん、じゃあもう一度、右に 『振り返って』 ください。」



そうお伝えすると今度は



結構、身体をひねってこちらへ動きをつけてくださいます。



そうすると腰の動きがでてくるので



「あれ? さっきは痛くなかったけど、



 ここらへん痛いんだね」なんて



改めて腰の痛みやほかの部分の痛みに気がつかれたりもします。




「振り向いてください。」と



「振り返ってください。」では



身体の動きが変わる場合があるということがわかります。



別の言葉がけで試してみるのもいいですね。



「○○さん、右を見てくださいね。」



「○○さん、右後ろを見てくださいね。」



「○○さん、腰をひねって右を向いてくださいね。」



いろんな声掛けができます。



その人その人で、世代でも違うかと思います。



どのコトバが身体の動きをスムーズに引き出せるのかを



体感していただくこともお客さまにとっては



新鮮な体験だったりもするのです。




うちは、四十肩五十肩のお客様も多くお見えになるので



腕の動きをつけていただくことも多いです。



その場合



「○○さん。じゃあ右手上げてみてくれますか?」



これが一番オーソドックスな声掛けですかね。



学校などでも「この問題わかる人? 手を上げて!」って



誰でも一度は聞いたことありますもんね。



よーくよーく見てみると



この言葉がけで出てくる動きも実は



お一人お一人結構違っていたりもするんです。



・肘を曲げて、上に腕を突き上げるように手を上げる方。



・肘を身体から横側に離して伸ばしながら、

 肩を中心に腕で円を描くように手を上げる方。



・腕を伸ばしたまま、前側に手を上げていく方。




手を上げる」というコトバがけ一つに対して



なんとなくイメージで一つの動きを想像していたはずが



最終的には同じ身体の姿勢にはなるんですけど

(ほんとは違っている)



出てくる動作は、ほんといろいろだったりするんですね。



僕なんかは、「手をあげる」というコトバ自体が身体(肩)を



壊すコトバだと考えている向きもあるので、



こんな言葉がけをしたりもします。



「○○さん、じゃあ、右腕を上げてくれますか?」



これで動きづらかったら



「○○さん、右肘を上げてくれますか?」



それでもなんかうまくなかったら



「右、脇(わき)を空けてくれますか?」



なんてコトバも使ったりもします。



お子さんや若い方などは



さらに動けなくなることもありますけど(笑)



それだけ、コトバで身体や動作を現わす共通語彙も



年々貧しくなっていて、親子でさえも身体の動きを



導きにくくなっていることなのかもしれません。




僕は、操体法の療術はお稽古とお伝えしているので



たまにお相撲や伝統芸能などの身体の所作や



動きを調べることもありますが



お相撲の実況中継でよく「腕(かいな)を返す」と出てきます。



相手の腕の下に自分の腕を差し入れて、



ひじを返して脇を空けて形勢を逆転する身体の動きですが、



これを「手を上げる」という身体の動きに置き換えていくと



身体(肩)が壊れにくい動きに収斂していくように



僕は考えています。




「手を上げる」ときに



肩や手ではなく、先ずは肘を意識します。



肘を身体から離して、「脇を空けます」




この状態が相撲でいう「腕(かいな)を返す」の



前段階に近いでしょうか?




僕は勝手に「肘を返す」とか「脇を返す」(誰にですかね?)



と言っていますが。



そうしたら、今度はそのまま腕全体を伸ばす感じです。



手で引っ張る感じでもなく



肩、二の腕で押し出す感じでもなく



勝手に手、腕が伸びている感じならうまくできています。



だからお相撲で「腕(かいな)を返す」と身体と腕が一体化して、



逆に腕の力が抜けて一気に形勢を逆転できるような力が出せるのか



と僕は感じています。



以前、歩き方を調べていたときもナンバ歩きなどで



「膝を抜く」「踵をふむ」などの合理的な身体動作を



導くコトバがありましたから、



まだまだ古に学ぶところは多いです。




お相撲では、やっぱり稽古(けいこ)って言いますよね。



トレーニングとか練習とかあまりいいません。




稽古って、昔のことを考えるという意味です。




相撲は神事(しんじ)ですからそういう意味で




やっぱり原点に返って




「身体の正しい動かし方」を思い出して一人一人が




神様(宇宙・天)につながるということなのかもしれません。




じゃなかったら、こんな状況になってさえも




こんなに多くの人が相撲を見たいと思わないと僕は感じています。




身体にやさしい動き方をお稽古する整体。



そんなことを日々続けさせていただいています。



いつもお読みいただいてありがとうございます。