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身体の動きとは相対的なもの。だから操体法?


身体の動きとは相対的なもの。だから操体法?


猫腰痛


こんにちは。



埼玉県草加市稲荷の和久屋おひさま整体院です。



今週は、少しづつ梅雨らしくなってきました。



ただ、雨で蒸し暑いというよりかは、



むしろ気温が下がって、肌寒く感じます。



動くと汗をかくし、止まると身体が冷えて寒いので



衣服でこまめに調整したり、



寝る時も掛け布団を足元にかけておくなど



体調を整えるのにちょっと苦労します。








さて前回ことばが身体を縛りも、解き放ちもする。(その2)


前々回ことばが身体を縛りも、解き放ちもする。



とことばがけで身体の動きが変わるということを



お伝えしました。



僕の学んでいる(遊んでいる)操体法の中にも基本の動きが



あります。



簡単にいうと、人間の動きは



「前屈、後屈」「右側屈、左側屈」「右捻転、左捻転」と



「圧縮、牽引」の八つの合成で表現されると



説明されているのですが・・・



なんのことだかわからないですよね。(笑)



橋本敬三先生の本にも、般若身経(はんにゃ心→身しんぎょう)と



紹介されていたりもします。



ただ僕のお師匠様は



「やりすぎるとなんかかえって具合が悪くなる」と言っていたり、



僕自身もそう感じるところがあって、お客様にはあんまりお伝えし



ていません。



また、型みたいなので覚えるとどうも、体操みたいになって



(別に体操を批判するわけじゃないですよ)



「何回やったらいいの」とか



「どのくらい曲げたらいいの」とかになってしまいそうなので



ここでは止めておきます。







ほんとは、子供のように気持ちよく自由に動けばいいんですが、



大人は、躾、教育、習慣などで、そもそも気持ちよく動くというこ



とをほとんど忘れてしまってますし、



まあ、こどもでも今は幼稚園などでも姿勢教育がされていたりもし




ますからコトバで身体の動きがしばられてしまっています。



なので、まずコトバで間違って縛られた身体をコトバを使ってほど



いてあげるということと時にはコトバを使わないで



身体の中から欲する動きが出てくるのを待ってあげるということも



必要なのかなと僕は感じています。



僕の療術の中では、人によってはおしゃべりをしたがる方



(僕自身がそうですが)には



「○○さん、今日はちょっと話を少なくして、



 身体の声に耳を澄ませてみましょうね。」と



お願いしたりもするのです。







すこし話がそれました。



例えば先ほど紹介したコトバの「前屈」(ぜんくつ)ですね。



これは、小学校の体育で「体前屈」なんてやってるから覚えておら



れる方も多いかもしれません。



立った状態から上半身をおじぎをするように腰を曲げて



指先を伸ばして床に近づける動きです。



これもお客様にやってもらうといろんな動きがでてきますが、



多くの方が上半身を腰の所で折り曲げるという感覚で



動かれている方が多いです。



ただ腰が痛い方などはそれができないので、



股関節(おしり)のところで曲げる意識で動かれている方、



背中、肩甲骨から腕を伸ばそうとする意識で動かれている方



なども見受けられます。



この前屈という動き、僕は床に手がぴったりつくかつかないかは全



然重視してないんですね。手が床にぴたっとついても身体が固い方



や痛みや歪みがある方たくさんいらっしゃいます。



まるで、行者のようにそうされる方もいらっしゃるのですが、



僕は全然違うところをみています。



身体のどこか一部(背中、股関節)が折れるのではなく、



床に手が付かなくても、身体(背中)がきれいに丸まって、



すべての椎骨がバランスよく



他の部分と協調して動いていれば、



身体の歪みや痛みなどの症状も少ないといえるからです。






この前屈という動きを操体法では



「お尻をうしろに(突き)出す」のように説明されています。



僕も初めは、みなさんと同じ腰を曲げるような意識で



上半身を折るように手を床に近づけようとしていたので、



どうもこの「お尻を出す」という動きが理解できないでいました。



コトバではわかっても身体ではできないので、



腑に落ちず、わからないという感じです。



それが、自分の身体が整ってきて、身体の力(筋肉)が



抜けてきて、ある時、自然にお尻が後ろに(突き)出す感覚がわか



ってきました。



前屈というから、



どうしても上半身を腰の位置や股関節の位置で曲げるという



意識がでてしまうのですが、



簡単に言うと「お尻を(後ろに)引く、落とす」感じでしょうか?



すると、身体の重みが踵側に移るので、



重心(バランス)の位置が変化します。そして、



勝手に上半身は前に曲がる(というより)自然に倒れていきます。



膝は前側にしか折れないのですが、



太ももや下肢や骨盤の筋肉がゆるんでくると前屈した時に、



膝が逆に少し後側に折れるような感覚(実際には曲がってない)が



出てきたりもします。



なので「前屈」というコトバは



一見、動きを現わしているように思えるのですが、



実は、お尻を後ろに、(突き)出す、引く、落とすなどの



『動きをつけた結果』



身体(上半身)が前に倒れてきた



『形になっている』



という状態を現わしているだけなのかもしれないと



僕は考えています。







前屈は



足の踵側に重みを移して、重心のバランスが変わると



勝手にお尻が後ろ側に突き出されます。



そして自動的に身体全体のバランスをとるために


は前側に倒れるのです。



踵側に重みをかける時にほんの少し足を逆ハの字に開いておくと



感覚をつかみやすいかもしれません。



逆に後屈は(身体を反らして天井を見るような動き)



足のつま先側に重みを移して、重心のバランスが変わると



勝手にお腹(腰)が前に出てきます。



そして自動的に身体全体のバランスをとるために上半身は後ろ側に



倒れて反らせられていきます。



つま先側に重みをかける時に少し足をハの字に閉じておくと自然に



なるかもしれません。







一つの身体の動きを表すと思うコトバを紐解いていくと



実は、身体の動きの結果を表すコトバだったのかもしれない



ということに気がつき、



動きというのは、部分ではなく身体全体のバランスの変化によって



(バランスを崩すこと)勝手に起きるのだということもわかってき



ました。



そして、身体全体で動けていなくて、身体の部分で動きをつけてい



るような癖が躾、教育、習慣などで長年ついてしまうと身体に痛み



や動きづらさが起こってくるのだということも



僕は最近気がついてきました。



なので、スポーツや体操、お稽古事や仕事などでも身体を一部分だ



け酷使している方、使いやすいところばかり使っている方には



痛みや動きづらさといったものがでてくるのだと考えています。



言い換えるとほとんどがその原因は自分にあるということです。






前回のブログで紹介した簡単な動きの例ですが、



僕がお客様の後ろに立って、お客様はベッドに座った状態で



「○○さん、僕の方を振り返ってください。」とお伝えした時に



・首だけが僕の方に振り返る方。



・肩から上半身が僕の方に振り返りつつ、


 首も僕の方に振り返る方。



・腰が振り返る方と逆に少しねじれて、


 肩から上半身が僕の方へ・・・・、方。



・膝が床方向に動きながら脚を踏み込み、


 腰が振り返る方と逆に少しねじれて・・・・・、方。



と一人一人動き方は全然違うのです。



ぼくから見ると



首だけを動かして振り返る方よりも



身体の部分に細かく分けて、少しづつ動かして振り返る人の方が



身体の歪みや痛みが大きくない印象があります。



古武術などでも、身体を一塊にして動くのではなく



身体を細かく割るような意識を持って動くことが大切と



言われているのには、そうした身体の使い方に



身体が壊れにくい理由が隠されているのかもしれません。



前屈、後屈。



捻転と説明がついちゃいましたね。



最後側屈ですね。



これも座った状態でお客様にお声がけをするときですが



「○○さん、右肩上げて。


 そしたらこんどは右肩下げてもらえますか。」



何気ないコトバですが、意外と動きづらい方多いです。



特に「肩を上げる」って、



肩こりや首痛がある方はもともとやりずらいので



「ちょっと辛いです。」と言われちゃう場合あります。



そうした時は、下げる方からコトバがけします。



「○○さん、じゃあ右肩下げて、そして、左肩はあげてね。」と



右肩を下げつつ、左肩はあがるという



自然な協調運動を導けるようなコトバがけに変えてあげます。



するとこんどは



「あ!?ちょっと動きやすくなった。」



と言われたりもします。




さらに



「〇〇さん、下げた肩の方と反対側のおしりに身体の重みをかける


 感じでやってみて」と



お伝えすると、肋骨の動きなんかもみえてくるので



「あれ!? もっと動きやすくなった気がする?」



と言っていただけたりもします。



身体の動きに肋骨の意識が生まれてくると



僕らが海から陸上に上がって進化した生物なのだということを



思い出せるかもしれません。



前屈、後屈、左右捻転、左右側屈。



お尻を後ろに出すと、身体が勝手に前に倒れる前屈。



お腹を前に出すと、身体が勝手に後ろに反れる後屈。



左肩落とす(下げる)と右肩が上がる左側屈。



右肩落とす(下げる)と左肩が上がる右側屈。



左に腰をひねると右に肩首が振り向く左捻転。



右に腰をひねると左に肩首が振り向く右捻転。



すべての身体の動きは、一か所だけではなく



全体の協調運動で成り立っていてそして相対的なもの。



絶対的にどこか一か所を動かすことは不自然なのですね。



だから操体法(そうたい)っていうのかもしれません。



自分で難しいコトバを簡単なコトバに置き換えて



動いていろいろ試してやってみてくださいね。



人間本来の身体の動きを取り戻せると



痛みや動きづらさに変化がでてくるかもしれませんよ。



いつもお読みいただいてありがとうございます。