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人はパターンに当てはめられない

人はパターンに当てはめられない


猫腰痛


こんばんは、



埼玉県草加市稲荷の和久屋おひさま整体院です。



暖かくなったり、寒くなったりしてますね。



三寒四温といわれる季節ですが、体調崩されてませんか?



気温差が激しいと痛みや辛さが増す方も少なくありません。



最近は少しづつ日が長くなり、明るくなってきた朝の日差しに



お客様の身体の体調の好転を祈っていたりします。


先日お見えになった70代の女性のお客様です。



難病指定の自己免疫疾患の診断を受けられているので



20年来右ひじの動きが悪く、



左膝には炎症のため痛みと動きづらさがあり



薬を処方されています。



たままたチラシを見て来院されました。




「先生、この痛みなんとかしてくださいよー。



 直してください。



 お願いしますよー。



 今こんなんだったら80になったら私どうなっちゃうのー」



と会ったばかりの僕を「先生、先生」と呼んでくださいます。



痛みがあって、自分の力で起き上がることができにくくなり



長い時間立っていることもできなくなってきているようで



その不安からパニックになっている様子もうかがえます。




『○○さん、ごめんねー。実はね。



 僕は「直さないし、なおせないんだよー」』



少し落ち着いてもらうために



そんな禅問答みたいなことをしゃべると



たいていの方は「?」ってなります。



だって「この痛いのを、動きづらいのをなおしてくれるんでしょ?



先生は?」って



顔をされる方がほとんどです。



仕方ないので



「僕はちょっと触れてお手伝いをするだけなんですー。



 そしてなおすのは〇〇さんの身体なんです。」



そう説明すると



ようやく〇〇さんは、少し冷静に「そりゃそうだ。」といった顔に



なりました。




まあ、こんな話をすると怒り出す方もいますから



少し様子をみさせていただきました。



膝が熱を持っているようです。



『○○さん。ちょっと膝熱いねー。熱持ってるみたいだから、氷水で



冷やそうかー』



僕はポリ袋に水にさらした氷を数個入れて、膝に当ててみます。



「あーセンセ。熱あったんだねー。



 冷やすと気持ちいいんだねー。」



『冷やして気持ちよければ自分でも冷やしてねー



 やりすぎると痛くなるから注意して。



 嫌な場所や嫌な時にはやらない。



 ホットタオルで温めるのがよかったらそれでもいいし。



 やっぱりお風呂で温めるのもいいね。



 ただ熱持ってるときは、



 外傷などがなくて感染の危険がなければ、冷やすのがいいね。』



 そう説明してお家でケアしてくださいと伝えます。




そうしたら次は、アキレス腱あたりから踵の周辺まで



僕の親指で気になるところを爪で皮膚を刺激していきます。



「あ! 痛い! 痛い!」



「いやー 先生。膝だけが痛いと思っていたら、そんなところも痛



 いんだねー。」



だいぶ落ち着いてきた様子なので



膝を表側裏側から挟むように手を当ててみます。



挟んでいる手を通して、膝蓋骨(膝の前側を上下に動く骨)に動き



が見えてきます。



踵に手を移して、膝をそーっと曲げて、またそーっと伸ばします。



ゴキゴキゴキ!



「先生、今ゴキゴキゴキって。言った! 痛ったー!」



『じゃあ、○○さん、今日はこのくらいかな。起きて歩いてみて。』



「あれ?! 先生、あんまり痛くないね。私立ててるね?」



『うん。さっきは僕が手を貸したけど、今は一人でベッド降りられ


 

 たしね。」




そうして○○さんは、一人で車に乗り込んでお帰りになりました。



(そんな方が運転しているのは、少し怖いなとは思いましたが。)



うちに来られるかたの中には、長年いろんな難病で痛みに悩まされ



ていた方も少なくありません。



僕としては、診断された病気は病気としてちゃんと病院で治そうと



されればいいと思ってます。




ただ、その病気が引き起こしている痛みや動きづらさとは別に




それまでの生活習慣や仕事などでの疲労やケガなどで蓄積した痛み



や動きづらさはまた別にあるので、



そちらをケアしていくだけでも、今まで感じていた痛みや動きづら



さが整体で少なくなるので「楽になった、よくなった。」と



思ってくださることで



「病気の方もよくなっているのかも?」



と心が前向きに病気をとらえられるようになって



実際に病気がよくなっていかれる方も中にはいらっしゃいます。



だから人間のココロとカラダというのは本当に不思議なものです。




人間って一人一人誰一人として同じ方はいらっしゃいません。



病気と診断されたとしても、



僕自身がそういう括りの中に特別落とし込んでみることは



したくありません。



どうしても人間というのは成功体験に縛られるので



『あの人の時はこうしたらうまくいったんだけどな。』といった



思いにとらわれることがないこともないのですが、



できるだけお一人お一人をその場で「皿で見る」という意識が



大切だと僕は感じています。



なので、毎回毎回触れるところや触れ方は違いますし、



お客様が痛いというところをあんまり触れないことも



多々あります。(笑)



解剖学では、脳、脊髄を中枢神経系、そのほかを抹消神経系などと



分別しますが、僕にとって、中枢と末梢という分け方自体あんまり



重要ではなく、末梢の方がより大切だったりする時もありますし、



最終的にはすべての箇所は等価ですべてが重要なんだと感じている



のです。



だから人はパターンには当てはめられない。



今日はそんなお話でした。



それではみなさんよい週末をお過ごしください。